神社

旧東海道 横田町の西宮神社|えびす様と学問の神様をお祀りする古社

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2025年1月2日、新年のあいさつで親戚の家での滞在中に、静岡市葵区横田町にある「西宮神社」を参拝してきました。周辺は旧東海道沿いにあり、かつて「府中」と呼ばれ、東海道の要所として栄えた歴史あるエリア。現在も商店街が連なります。商売繁盛の神・えびす様をはじめ、学問の神様や道案内の神様など、複数のご神徳をいただける由緒正しき神社です。

詳細・基本情報とアクセス方法

基本情報

  • 名称:西宮神社(にしのみやじんじゃ)
  • 住所:静岡県静岡市葵区横田町5-24
  • 最寄り駅:静岡鉄道「音羽町駅」から徒歩約4分
  • 駐車場:なし
    • 周辺にコインパーキングあり/公共交通機関の利用がおすすめ
  • 参拝時間:終日可能
  • お札の授与:隣接するイシベフラワーにて受付

アクセス

公共交通の場合

静岡鉄道「音羽町駅」下車後、徒歩約4分。

車の場合

JR静岡駅から5分。駐車場はないので、公共交通機関または周辺のコインパーキングを利用すると便利です。

地図

由緒・御祭神・御利益

歴史と由緒

西宮神社の創建年代は明らかではありませんが、1856年(安政3年)に再建されたと伝えられています。『駿河国新風土記』には「左口社 恵比須社 神主新村左京」との記述があり、いつ頃から左口神をお祀りしていたかは定かではないものの、1673~1681年(延宝年間)にはすでに恵比須神社として祭祀されていたようです。

当時の末社には天神社や稲荷社があり、1911年(明治44年)に天神社(菅原道眞公)と稲荷社(保食神)を合祀しました。その後、1928年(昭和3年)12月13日に左口神社から西宮神社へ改称されますが、1940年の静岡大火ではかろうじて焼失を免れたものの、1945年6月19日の戦災で社殿を失ってしまいます。

戦後は1953年に本殿が、1957年に拝殿が、1967年に社務所が再建され、1961年には静岡県神社庁の等級規定により七級社に指定されました。こうして江戸から昭和にかけて幾多の災禍を乗り越えながら、地元の人々の信仰を支え続けてきた神社です。

御祭神

事代主命(ことしろぬしのみこと)

“えびす様”として広く知られ、商売繁盛・金運隆昌の神様です。

猿田彦命(さるたひこのみこと)

道案内・交通安全の守護神です。

保食神(うけもちのかみ)

食の神様。農業や食の安定にご利益があるとされています。

菅原道眞公(すがわらのみちざねこう)

学問の神様として名高い、いわゆる天神様です。

ご利益

西宮神社では、次のようなご利益があると言われています。

  • 商売繁盛:お商売や事業の成功につながる
  • 学業成就:勉強や受験で成果を上げられる
  • 家内安全:家族が安らかに暮らせる
  • 交通安全:旅や通勤・通学が無事に済む

境内の様子と雰囲気

鳥居

境内入り口の鳥居

商店街に面した場所に立つ鳥居には、提灯がずらりと掛けられています。旧東海道の通りから一歩入ると、ガラリと空気が変わるのがわかります。真正面から拝殿と本殿まで見通せるため、境内への入り口として印象深い雰囲気を醸し出しています。

手水舎

手水舎

鳥居をくぐるとすぐ右手に見えるのが木造瓦屋根の手水舎(ちょうずや)です。ピンク色の提灯が並ぶ境内の雰囲気と調和しており、どこか柔らかな印象を受けます。

手水舎

手水鉢(ちょうずばち)の大きな石には滑らかな水が張られ、柄杓(ひしゃく)が並んでいます。参拝前にしっかりと手と口を清め、心を落ち着かせてから拝殿へ向かうことができます。

社務所

西宮神社の社務所

拝殿の左側に建っている瓦屋根の建物が社務所。正月飾りやしめ縄がかけられており、季節に応じて飾りつけが変わる可能性があります。静岡市街地にほど近い場所にありながらも、どこか懐かしい雰囲気のある建物でした。

拝殿

西宮神社の拝殿

拝殿は神社の正面に位置し、参拝者がまず手を合わせる場所です。木造の落ち着いた造りで、夕暮れ時には柔らかな光が差し込み、穏やかで神聖な空気に包まれます。
伝統的な社寺建築らしい曲線の屋根や細かな木彫りの装飾が施されており、長い歴史を重ねてきた気品が感じられます。

拝殿の鈴緒

拝殿正面には、赤と金色の縄がより合わさった鮮やかな鈴緒(すずお)が掛けられています。柄(え)の部分には「家内安全」と記されており、家族の平穏を願う気持ちが強く伝わってくるようです。
参拝時にこの鈴緒を振り、清らかな音を響かせることで神様へ感謝やお願いをお伝えすることができます。静かな境内のなかで鈴の音が響く様子は、心に響くものがあり、より一層厳かな気持ちになります。

本殿

西宮神社の本殿

拝殿の奥に位置する本殿は、えびす様をはじめとして猿田彦命、天神様など複数の神様が合祀されている神聖な空間。
屋根の曲線や彫刻など、伝統的な社寺建築らしい意匠が随所に施されており、夕方の柔らかな光に包まれた姿は特に風情があります。長い歴史を重ねてきた木造建築ならではの落ち着きを感じさせる場所で、訪れるたびに厳粛な気持ちになるのが印象的です。

年中行事

西宮神社大祭(10月19日~20日)

西宮神社の大きな祭りの一つで「おいべっさん」と言われています。この2日間は旧東海道・横田町の通りに出店が立ち並び、大いににぎわいます。地域の大切な祭事として古くから親しまれ、筆者自身も小学生の頃に訪れた思い出があります。今でも変わらぬ活気を見せる、伝統ある秋祭りです。

その他主な年中行事

初詣(1月1日)

新年を迎え、赤と白の提灯に彩られる境内を多くの参拝者が訪れます。今回私は1月2日に訪れたので、その名残を感じました。

節分祭(2月3日)

厄払いが行われ、春を迎える行事として地域の人々に親しまれています。

夏越祭(輪くぐり祭)(6月30日)

茅の輪くぐりを行い、半年間の穢れを祓い、無病息災を祈願します。

西宮神社旧祭(旧暦10月19日~20日)

古い暦に基づく祭礼で、時期はずれるものの、大祭と同様に重要な祭事として受け継がれています。

こんな方におすすめ

商売繁盛を願う方

えびす様のご神徳により、商売・ビジネスの成功を祈りたい方へ

学業成就を願う方

天神様(菅原道眞公)にあやかりたい受験生や学生の皆さんに

旧東海道の歴史に興味がある方

府中(静岡)の宿場町として栄えた横田町の昔をしのびながら、神社巡りを楽しみたい方へ

まとめ

静岡市葵区・横田町に鎮座する西宮神社は、えびす様と天神様をはじめ多くの神々をお祀りする歴史深い神社です。旧東海道の宿場町としての名残を今に伝える街並みの中、数百年にわたって地域の人々の暮らしを見守り、商売繁盛や学業成就など多彩なご利益を授けてきました。

木造の社殿や立派な樹木に囲まれた境内は、商店街のにぎわいの中でも静かで荘厳な空気を保ち、足を踏み入れた瞬間に「良い神社だな」と感じさせてくれる独特の魅力があります。横田町を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってその空気感を体感してみてください。

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みきと
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みんなの図書館さんかく名誉副館長/己書道場師範/星空案内人
麺と星空とコーヒーをこよなく愛しております。
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