歴史と信仰が息づく入山瀬浅間神社――富士下方五社の一社を訪ねて
2025年1月25日、「歩みと光る」というお菓子販売イベントに参加しました。このイベントでは、元「folk knot cafe STIR」を運営していた2人が、現在住んでいる山梨県の河口湖町から静岡県富士市の「アークレーブ」(菓子製造業許可キッチン付きレンタルスペース)まで来てくれました。以前住んでいた川根本町と現在の住まいの中間地点で、良い場所を見つけたそうです。
そんなイベントを楽しんでいる途中、一度抜けて、以前訪れた「富知六所浅間神社」と同じ富士下方五社の一社である「入山瀬浅間神社」を訪問しました。その後、再びイベント会場に戻り、最後まで楽しむことができました。今回は、入山瀬浅間神社の魅力や歴史を、富知六所浅間神社との関連性を交えながらご紹介します。
詳細・基本情報とアクセス
- 名称: 浅間神社
- 通称:入山瀬浅間神社(いりやませせんげんじんじゃ)
- 別称:新福地宮
- 住所: 静岡県富士市入山瀬4-9-1
- 社格: 旧村社
- 年中行事
- 祈年祭1月14日
- 例祭10月10日
- 新嘗祭11月25日
- 駐車場:あり
アクセス
公共交通機関の場合
- JR入山瀬駅から徒歩11分
車の場合
- 新東名高速「新富士IC」から8分
- 東名高速「富士IC」から8分
地図
由緒・御祭神・ご利益
由緒
入山瀬浅間神社は、『駿河国神名帳』に「正三位浅間御子明神」として記載される古社です。かつて「新福地浅間社」と称され、806年(大同元年)に再建された際、唐本大般若経が奉納されたと伝えられています。
歴史的背景
神仏習合の影響を受けた鎌倉期には、日蓮宗の布教活動が行われる一方、江戸時代には豊臣秀吉や徳川家康により朱印地が与えられ、地域の重要な信仰の場として位置づけられていました。
御祭神
木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)
主祭神。富士山の象徴であり、火難除けや安産の神として信仰されています。
高龗神(たかおかみのかみ)
相殿神。水や雨を司る神様で、龍神とも関わりが深いと言われています。清らかな水の流れや雨を象徴し、五穀豊穣や生活安泰を祈願する際に信仰されます。
金山神(かなやまのかみ)
相殿神。鉱山や金属を司る神様。金属や鉱物に関する繁栄や安全を祈願する際に信仰され、特に職人や工業関連の人々に崇敬されています。
御利益
- 家内安全
- 厄除開運
- 五穀豊穣
- 交通安全
境内の様子と雰囲気
鳥居
拝殿と本殿
昭和43年に鉄筋コンクリート製に改築された拝殿と本殿は、白と朱の鮮やかな彩色が特徴です。
鷹岡殉国者慰霊塔門
慰霊塔の入り口です。鳥居ではありません。
橋と池
門の先には池があり、赤い橋が架かっています。
鷹岡殉国者慰霊塔
境内には多宝塔風の慰霊塔があり、旧鷹岡町出身の戦没者349柱が祀られています。
狛犬
なぜか神社ではなく、慰霊塔の方に狛犬があります。
自然と調和した神域
イチョウやモチノキ、スダジイなどの古木に覆われ、静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝が楽しめます。
その他
神池や弓道的場、土俵など、地域活動にも寄与する設備も魅力的です。
富士下方五社との関連
富士下方五社は、富士市周辺に点在する5つの重要な神社の総称で、入山瀬浅間神社はその一つとして位置づけられます。
以前訪れた富知六所浅間神社も含め、関連性を以下のように見ることができます。
富士下方五社はそれぞれ異なる役割を担いながら、地域信仰の基盤を形成してきました。
富知六所浅間神社
富士市浅間本町に鎮座する中心的な神社で、六柱の神々を祀り、富士山南麓全体を守護する役割を歴史ある神社。以前書いた記事はこちら
瀧川神社
富士市内に鎮座し、地元の農業と水の守護神として信仰されています。
今宮浅間神社
富士市今宮町に鎮座し、木花咲耶姫命を主祭神とする神社。地域の守護神として知られています。
日吉浅間神社
日吉神社と浅間神社が併せ祀られた神社で、地域の産土神(うぶすながみ)として崇敬されています。
入山瀬浅間神社
当記事の神社。富士市入山瀬に鎮座し、農業守護や地域の平安を祈願する神社です。
年中行事
入山瀬浅間神社では、年間を通して以下の祭礼が行われています。
- 祈年祭(1月14日)
- 例祭(10月10日)
- 新嘗祭(11月25日)
こんな方におすすめ
- 富士山信仰に興味がある方
- 静かに参拝したい方
- 地域の歴史を感じたい方
まとめ
入山瀬浅間神社は、富士山信仰を支える重要な場所であり、地域の歴史と文化を深く知ることができます。ぜひ一度訪れて、地域に根付く信仰と落ち着いた空間を体感してみてください。