寺社巡り初心者にもおすすめ!音羽山清水寺(静岡・清水寺)の魅力と境内
2025年1月2日、静岡市葵区音羽町にある音羽山清水寺に行ってきました。ここは地元の人々から親しみを込めて「きよみずさん」と呼ばれる由緒あるお寺です。高野山真言宗の寺院として、また駿河三十三観音霊場第19番札所として、多くの参拝者を迎えています。
詳細・基本情報とアクセス
基本情報
- 名称:音羽山清水寺(おとわさん きよみずでら)
- 住所:静岡県静岡市葵区音羽町27-8
- 宗派:高野山真言宗
- 本尊:千手観音菩薩(駿河三十三観音霊場第19番札所)
- 電話:054-246-9333
- 参拝時間:特に定めなし(法要や行事によって変動する場合あり)
- 駐車場:2台(満車時は近隣のコインパーキングまたは公共交通機関をご利用ください)
アクセス
公共交通機関の場合
- 静岡鉄道「音羽町駅」より北へ徒歩約2分
- JR静岡駅からバス利用の場合は、「音羽町」方面へ乗車し、下車後徒歩すぐ(所要約15分)
車の場合
- 東名高速道路「静岡IC」から約5km(車で約15分)
駐車台数が少ないため、混雑が予想される時期は公共交通機関をご利用いただくのが望ましいです。
地図
歴史と由緒
音羽山清水寺の歴史は、約1504年ごろ(永正年中)に僧・印隔法印が開いた檀林(学問所)にまで遡ります。その後、今川氏輝の遺命により、1559年(永禄2年)に家臣の朝比奈丹波守元長によって建立されました。
開山は京都から迎えられた尊寿院大僧正道因。この地が京都の音羽山清水寺に似た眺望を持つことから「音羽山清水寺」と名付けられたと伝わります。
徳川家康公との深い縁
本寺の歴史において特筆すべきは、徳川家康公との深い関わりです。1602年(慶長7年)には家康公により観音堂が建立され、本尊の千手観世音菩薩像には家康公の念持仏が奉納されています。三つ葉葵の紋の使用を許可されているのも、この深い縁を物語っています。
見どころ散策
観音堂
家康公寄進の観音堂には、安土桃山期の禅宗様宮殿型厨子が安置され、静岡県の文化財に指定されています。御開帳は33年に一度という大変貴重な機会です。
本堂(日華親善殿)
1931年(昭和6年)建立の鉄筋コンクリート造り。当時としては画期的な近代建築で、国の登録有形文化財に指定されています。
薬師堂
建築年代は不明ですが、神仏習合の時代に浅間神社に建てられた護摩堂だったと伝わります。神仏分離の際に清水寺へ移転されました。
聖天堂
1980年(昭和55年)に完成したお堂で、聖天さまをおまつりしています。
熊野神社
音羽山清水寺内にある熊野神社があります。
具体的なご祭神は分かっていませんが、一般的な熊野神社では「熊野三山」から勧請された神々が祀られ、健康長寿・厄除け・縁結びなど幅広いご利益があるといわれます。
寺院内に神社があるのは、神仏習合の文化が受け継がれてきた証といえるでしょう。
境内には他にも金比羅神社など複数の神社が鎮座していたそうです。
庫裡
清水寺の東側に位置し、1931年(昭和6年)に建てられた建物です。こちらで御朱印の受付を行っています。住職が不在の場合もあるため、事前にご確認いただくと安心です。
鐘楼堂
1919年(大正8年)に建てられた鐘楼堂。1911年(明治44年)に静岡市から奉納された鐘は戦時中に供出されましたが、1950年(昭和25年)に現在の梵鐘が復興されました。
大晦日の除夜の鐘など、年中行事でも大切な役割を果たします。
年中行事と伝統
きよみずさんの花火(7月9日)
四万八千功徳日の夜に奉納される花火は、徳川家康公の時代から約400年続く伝統行事です。浴衣の着初めとしても親しまれ、静岡の夏の風物詩となっています。
- 奉賛行列:18:30~
- 大護摩法要:19:00~
- 花火打ち上げ:19:30~
その他の主な行事
- 1月1日:修正会(初祈祷)
- 2月3日:節分会と福豆まき
- 春秋彼岸:彼岸法要
- 12月31日:除夜の鐘(先着100名)
御朱印
庫裡にて授与していますが、住職不在の場合もあるため、事前確認をおすすめします。駿河三十三観音霊場の札所として、巡礼の記念に人気があります。
こんな方におすすめ
歴史好き・寺社巡りが趣味の方
徳川家康公ゆかりの観音堂や安土桃山時代の建築様式など、歴史を感じられる見どころが豊富です。
静岡市の伝統行事や四季を楽しみたい方
毎年7月9日に行われる奉納花火や、季節の花々・紅葉など、風情ある行事と自然を同時に堪能できます。
御朱印巡りや霊場巡礼をされる方
駿河三十三観音霊場第19番札所として、本尊・千手観音菩薩をお参りしながら御朱印をいただけます。
まとめ
「きよみずさん」は、今川家・徳川家との歴史的つながり、神仏習合の文化、そして現代に続く伝統行事など、様々な魅力が凝縮された寺院です。静岡市内では珍しい高野山真言宗のお寺として、また駿河三十三観音霊場として、古くから人々の信仰を集めてきました。
四季折々の風景と年中行事、そして由緒ある建造物群。静岡の歴史と文化を体感できる特別な空間として、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。